刑事手続、民事手続、行政手続
交通事故が発生した場合には、刑事手続、民事手続、行政手続の3つの手続きが発生します。
刑事手続
交通事故を起こした時、加害者には、以下のような刑事処罰が科せられる場合があります。
- 1. 業務上過失致死傷罪
- 2. 危険運転致死傷罪
- 3. 重過失致死傷罪
- 4. 道路交通法違反罪
刑事事件になるときは、加害者は、逮捕・勾留されて取り調べを受ける場合と、逮捕・勾留されずに取り調べを受ける場合があります。加害者・被害者ともにその場で実況見分・供述調書が可能な場合もあります。警察において書類作成等がなされ、検察庁に送致された後、再度検察庁で取り調べを行われ、検察庁において起訴するかどうかが決定されます。
起訴されると、その後は刑事裁判になります。刑事裁判は、民事裁判とは全く別で加害者に刑罰を科すかどうかだけを審理します。正式に起訴(公判請求といいます)されない場合でも、罰金だけを科す場合には、略式起訴といい、即日判決が出る手続が行われる場合もあります。起訴も略式起訴もされない場合は、不起訴となります。
民事手続
交通事故を起こすと、加害者は被害者に対して不法行為が成立し、被害者が被った損害を賠償しなければならない義務が発生します。加害者が業務中の場合は民法715条により、雇用する会社も使用者責任を問われ、また自賠法により、加害車両の保有者も損害賠償義務が発生します。
手続としては、示談により解決する場合と調停や訴訟により解決する方法があります。損害の賠償の仕方としては、加害者等が支払う場合、自賠責保険で支払う場合、任意保険で支払う場合等があります。詳しくは示談についてをご覧ください。
行政手続
道路交通法規に違反している場合には、運転者には違反点数が課せられ、違反点数が一定以上になると、免許取消や免許停止、反則金等の行政処分を受けることになります。
この行政手続も、刑事事件や民事事件とは全く別個に進行します。したがって、行政処分を受けて反則金を支払ったからといって、刑事処分を免れるわけではありません。