むち打ち症とその後遺症について

軽度の事故でトラブルになり易いのが頚椎捻挫、いわゆるむち打ち症です。
むちうち症は、軽度のものからある程度重篤なものまであり、「なんとなく痛みが残る」というような自覚症状だけのもあります。
このため裁判では、むち打ち症の程度を判断するのには以下の要素が勘案されます。

  • 1.追突衝突自体の衝撃の程度、及びそれが身体に及ぼした程度
  • 2.追突衝突の様態、被害者の姿勢等
  • 3.症状発現の経過とその変遷、当初の医師の診断及び治療経過等

むちうち症状による後遺障害認定の可否

自覚症状のみで他覚的所見がないからといってむち打ち症による後遺障害の認定ができないわけではありません。 しかし、労働能力喪失の割合は低く、喪失期間等についても5年~10年以内という比較的短期間でしか認められないケースがほとんどです。

損害保険料率算出機構では、12級以上の精神神経障害は医学的に証明されたものを意味し、14級では医学的に説明可能であれば足りる扱いです。

むち打ち症で、後遺障害と認定されるためには、症状固定の時期の痛みが、根性疼痛かどうかで判断される場合が多いようです。

根性疼痛の特長は
1.その神経根が支配している領域の疼痛
2.知覚の分布図に一致した知覚障害
3.神経支配を受けている筋肉の運動障害
4.深部腱反射の異常

上記4点全て揃っているのは難しい場合もあります。
治療の医師に、深部腱反射の検査をなども行ってもらうと良いでしょう。